2010年6月6日日曜日

Baa Muan Thai(バー・ムアンタイ:タイバカ)

私の周りに私を含め4人の日本人のタイバカがいる。
残念なことに私以外は3名とも日本在住である。
それでも年に何度も仕事を無理やり調整して来るわけであるから、バカと言ってよいであろう。
というか、タイバカである。
それでも、年に何度も訪タイしてくるタイ好きの日本人は多い。
じゃー、何が違うのかである。
(1)Pdai
 彼との付き合いは12年を越す、そして私のタイの歴史と彼のタイの歴史はほぼ時間的にイコールである。一緒にタイ語学校も通った。
現在彼は日本に滞在中であるが、年に何度もそれも3日間だけみたいな感じでもタイに来てしまう。彼曰く「私はタイ人を尊敬している」だそうである。ここまでもまだ同じ人はいっぱいいるであろう。
そして彼の最大のタイバカな理由は、彼の夢である。
彼はJyakayan(自転車)が大好きである。日本でも週末の2日で800Kmとか走破するのである。昨年一番暑い時期にタイに来てBangkokからチャン島まで自転車で走破している。
もちろん途中で脱水症状に陥り、死に掛けてることは言うまでもない。
しかも彼の年齢は私と同じ50である。彼はタイ人から直ぐに愛され、尊敬されるタイプである。なぜなら彼の顔も肌の色もタイ人と同じであるからである。タイ人が見ても「タイ人でしょう」と言わせるくらいである。そして、読み書きもできる。でも問題は話はあまりできない。話すと直ぐにタイ人じゃない事はばれる。そこが愛されるところである。
そして彼の夢であるが、「再度自転車でタイに降り立ち、空港からまっすぐPattayaの私の村まで直行し、村にあるBarにボロボロの体を引きずって入って行き、何も言わず真っ直ぐジングルベルに向かい、その鐘を鳴らして、その場で気を失う。」だそうである。
タイ人からは間違いなく英雄の称号を与えられるだろ。しかし実際はただのバカなのである。

(ジングルベルとは、ThaiのBarには殆どカウンターの上にジングルベルが在り、客がそれを鳴らすと、その場に居るお客さん全員と店の従業員全員に奢ると言うルールである。)

(2)Masa
 年齢は一回り以上下なのであるが、若いながらに気合を入れて集中してタイに滞在する。
目的は彼にとって完璧な天使を探すことなのであろう。明るい部と暗い部の1日2部構成でBangkok、Pattayaで集中して探し物をしている。無駄金は使わない!!と言う感じである。
私から見れば「うわー、この子天使ジャン、もうこの子でGoalなんじゃないの?」と思っても
そこで断念は決してしない。120%を目指しているのである。
ここまでもまだ同じ人はいっぱいいるであろう。
問題はここからである。彼はこれだけの鉄の精神を持ちながらも、タイ人をものすごく理解し愛していると言っても良いであろう。
私の村では彼の目的を果たすことは不可能に近いのであるが、と言うか不可能である。
でも、私の妹の居る店に一緒に来てくれて、彼も本当に兄貴になったかのように私の妹を理解しかわいがってくれるのである。そして彼にとっては無駄な時間であろうとも、私や妹の遊びに付き合ってくれるのである。私への遠慮と言うわけではなく、それで幸せも感じてくれている。
普段の行動からは予想もつかない、真の優しさと、タイ人に対する敬愛がある人物である。
その優しさのため、私の知り合いのタイ人で彼を嫌うものは一人も居ない。いや、みんな彼を愛している。でも彼は天使を探す道を外れることはない。あーー、バカである。

(3)AL(アル)
 ALとはもう15年の付き合いになる、Pdai同様ダメダメ50歳トリオの中心的存在でもある。
彼も天使を探している。大きな病気になってしまったのであるが、昨年からタイ活動を見事に復帰させている。ここまでなら沢山見たことがある。問題は家族も一緒に連れてきておきながら、夜遊びに出る。ここまでも沢山居る。しかも夜遊びに出て家族の待つホテルには戻らず、Pdaiのアパートにず~~~~っと泊り込んで、朝帰りをしているのである。そして、家族を怒らせることも無く、家族サービスをこなせている。健全な肉体であれば可能かもしれないが、まるで健全な肉体ではない。
そして、彼のもっとも特異な点は、天使を探していることは間違いないのであるが、それを自分のものにしようと言う俗物ではない、目的は1点で「天使を自分の目で見てみたい」という壮大の夢の持ち主なのである。客観的に自分が天使と思えるということは、本当の天使を見つけると言うことに他ならない。でもきっと見つかるであろう。
タイには紛れもない天使がまだ存在しているはずであるから。
たったそれだけのことなのかもしれないが、それは人生の時間を全てそれに費やしていることに等しい。でも無ければ天使は見つからないのである。
彼がタイ人から愛される理由の最大点は、なんでも平気でタイ料理を出されるがままに「美味い!!」と言ってたいらげられるところであろう。
これはすごいことだと思う。できそうで意外とできないことである。というか在り得ない。
どう考えてもバカである。バカとしか形容できる言葉を私は知らない。

バー・ムアンタイと題したが、タイ的にはキー・ムアンタイの方が正解であろう。
自称タイバカは沢山居るし、タイ人の友達を持っている人も沢山居る。
私のタイバカの定義は一つである。「タイ人に愛されている」ここに尽きる。